CSAプレスリリース”CSAの新たな調査レポート:金融はクラウド戦略を模索中”-ハイブリッドクラウドが好まれ、データセキュリティとセキュリティ管理が最大の関心事-

2015年3月11日
日本クラウドセキュリティアライアンス事務局長
勝見 勉

CSAのFinancial Services WGの調査結果報告が公表され、そのアナウンスがありました。以下にプレスリリース全文の日本語訳を紹介します。

3月5日シアトル発表:金融機関の多くが徐々にクラウドに保存するようになっている。これが、CSAの新たな調査「金融部門でのクラウドの利用について」で判明した主な点です。調査対象は全世界の銀行、保険および投資機関です。調査に よれば、金融部門におけるクラウド利用が少しずつ一般的になってきている中で、確固たる、管理とセキュリティ対策の整った戦略を用意できているのは50% に満たず、それが主たる懸念事項になっています。

「この調査結果は金融サービス産業がクラウド利用をどのように進めているかに ついて、およびクラウドプロバイダがいかに的確にその関心事項と要求項目に対 応できるかについて考えるための洞察に富んでいます。」とCSAのCEO、Jim Reavisは語り、「この結果が、クラウドプロバイダと金融機関が、金融部門での セキュアなクラウドの利用を進めるためのガイダンスとして活用されることを期待しています。」と付け加えました。

調査結果によれば、61%がクラウド戦略を正規に整える段階にあり、39~47%がインハウスのIT、プライベートクラウド、パブリッククラウドの組み合わせを利用しようと考え、18%がプライベートクラウドの利用を考えています。大部分をパブリッククラウドにホストしてもらう予定だとした回答者はゼロでした。調査結果ではまた、顧客が電子的手段で取引をする度合いが高いほど、クラウドポリシーは緩くなっており、このタイプの金融機関では厳しいポリシーを適用しているのはたった3%でした。

CypherCloud社のクラウド戦略およびセキュリティ担当副社長であるDr. ChenxiWangは以下のように語っています。「回答は全体として金融サービス部門はクラウドサービスにとってたいへん活発な市場となっていることを示しています。この業界では多くの企業がクラウドのパワーを活用しようとしており、クラウドは確固たる位置を占めています。特に、回答者の要望リストのトップを占める監査の有効性とデータ保護対策に対応できるプロバイダーにとっては、成長の余地は大きくあります。」

「金融部門でのクラウドの利用について」調査報告には、米州、EMEA、APACの色々な規模と業態の企業から100を超える専門家の意見を収録しています。クラウドにおける情報保護のリーダーであるCypherCloud社がスポンサーとなったこの調査は、CSAのFinancial Servicesワーキンググループが実施し、金融部門ではいかに異なったクラウドソリューションが実施されているかの状況をマッピングする初めての試みとなりました。この調査のねらいは、金融業界における、クラウドサービスの提供と管理に関する主たる懸念事項を分析し、クラウドサービスの利用を促進することが必要であるということを知るところにあります。

金融サービス企業はまた、クラウドプロバイダーの透明性と監査における自由度を求めており(80%)、これはデータ暗号化の要望(57%)以上となっています。クラウドに移行する動機については、回答者の68%がインフラ能力の拡張性を挙げて第1位、僅差(63%)でプロビジョニング(コンピューティング機能の配備)時間の短縮が続きます。クラウドに移行する場合に利用するサービスや機能では、1位がCRMで46%、アプリケーション開発(45%)、email(41%)が続き、意外にもバックエンド(総務人事経理等)サービス(20%)やバーチャルデスク(14%)より高くなっています。

最後に、クラウドに移行するに際しての規制や法令順守に関する要求では、上位にデータ保護(75%)、コーポレートガバナンス=企業統治(68%)、PCI-DSS(54%)と国による規制(47%)が並びました。

調査ではまた、金融、政府、保険、セキュリティの各意思決定責任者がその組織の中でどのように行動するかについての洞察も得られました。それは最もセキュリティの高いクラウドサービスを組み合わせて標準的なものとして起用すること、どのようなポリシーが最も影響があるかについての判断、ユーザ教育において何が肝要かを把握することです。

報告書の本文は、https://cloudsecurityalliance.org/research/fswg/#_downloadsからアクセスできます。

調査へのフォローアップとして、CSAのFinancial Servicesワーキンググループでは、2015年の活動報告で、金融サービス部門でのクラウドコンピューティングのベストプラクティス(実践規範)に関する懸念と利点を取り上げる予定です。Financial Servicesワーキンググループのリーダは、BBVA社のイノベーション・エンジニアリング・ソフトウェア開発におけるITリスク・不正・セキュリティの責任者であるJuan Franciscoと、Caixa銀行のセキュリティマネージャであるMario Maawadです。ワーキンググループへの参加に関心のある企業や個人は、financila-services-leadership’@’cloudsecurityalliance.orgにご連絡ください(@の前後のクオーテーションを削除してください)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*